4/22 モットゥーラ訪問

  

西森さん: お元気ですか? 今回は是非皆さんにも知って頂きたいエステート(ワイナリーとホテルを運営)が有りますのでレポートをしたいと思います。 場所はラッツィオ州の北、トスカーナ州とウンブリア州との州境にあるヴィテルボ県チヴィテッラ・ダリアーノという非常に小さな町(中世期の町であるオルヴィエトのようにトゥッフォという岩盤の上に建てられています)にあります。一番近い町はオルヴィエートになります。ローマからはオルヴィエートまで電車で来れますし、A1の高速を使えば更に便利になります。近くにはボルセーナ湖(鰻の料理を作ります)・エストエストエストで有名なフィアスコーネ、中世の城塞都市・エトルリア人の遺跡等が点在しています。

  

このチヴィテッラには日本人の観光者が全く来ないそうです。場所的に少し不便な所に有り、非常に小さな町ですからガイドに掲載される事も有りません。今回宿泊したホテルにも私が初めての日本人と言う事でした。ワイナリーも運営してますので、ワインに興味が有る日本人の方に是非訪ねて来て欲しいそうです。ホテルの地下カンティーナはエトルリア時代の物で、非常に興味深い部分です。ここではスプマンテとクリュワインを熟成させています。 エステートの名前は「セルジオ=モットゥーラ」と言い、ワインの方はオルヴィエトDOCとラッツィオIGTを全部で8種類程を生産しています。

  

葡萄は全て有機栽培です。ここでは土着品種であるグレケットとプロカニコに力を注いでいます。モットゥーラさんは元々はピエモンテ人ですが父親が1933年にチヴィテッラの土地を買い取り、ここに移り住んだそうです。所有地は130Ha有り葡萄畑は45Haです。ワイン作りは1960年代に入り始めて、当初アンティノーリに葡萄を販売していましたが、セルジオさんが自分のワインを作りたくなり82年から自社瓶詰を始めました。又、趣味でスプマンテ(シャルドネ種)を作っているのですが、そのスプマンテが本当に素晴らしくシャンパーニュの上物と言っても十分通用する品質を持っています。

このモトゥーラの素晴らしいワインをいくつか紹介しておきます。
ポッジョ デッラ コスタ: (モトゥーラの所有する畑名) グレケット種を100%使い、温度管理されたステンレスタンクで発酵、熟成をさせた白ワインです。グレケット種の葡萄の特徴は柑橘類の香りに有り、又ボディもなかなか強い為に数年の熟成にも十分に耐えられます。96年と99年を試飲させて貰いましたが、96年はまだ酸もしっかりしており、加えて熟成された葡萄の香りが複雑さを増していました。99年は瓶詰して間もないのですが非常に上品な柑橘類の香りが高かったです。

ラトゥール ア チヴィテッラ: フランス・ブルゴーニュのネゴシアンのルイ=ラトゥールを知っている方は多いと思いますが、セルジオさんはラトゥール氏とは非常に親しい友人と言う事です。そのルイ=ラトゥールのバリック樽で、イタリアのラッツィオ州の土着品種のグレケット種を使い、作ったワインがこの「ラトゥール ア チヴィテッラ」(意味はチヴィテッラで作ったラトゥール)です。12ヶ月の樽熟成をしており、非常に素晴らしい品質を持っています。これを初めて飲んでイタリアの白ワインを考える人はまず居ないと思います。バターの香りから始まり、熟したトロピカルフルーツ・バニラ・オレンジ等、余韻にタルト・クッキーを感じます。

ムッフォ (貴腐ワイン、勿論ドルチェ=甘口です) モトゥーラではテヴェレ川沿いのアルヴィアーノと言う湖の近くに良い葡萄畑を持っています。収穫も終わりになるとこの畑にはよく霧が出てきます。そしてこの畑で状態が良くなると貴腐葡萄が出来上がります。それを使って作った物がこのムッフォになります。甘口の素晴らしいワインです。ぺコリーノチーズに蜂蜜をかけて、このムッフォと一緒に取るデザートは最高でした。 スプマンテ ブリュット: 趣味で作っていると言ってますが、その味わいはちょっとイタリアでは見つけられない位の品質です。作り方はシャンパーニュと同じです。現在飲んでいる物で92年ヴィンテージのスプマンテです。これでお分かり頂けますか?

 

さて、ホテルはと言うと4つ星クラスの高級ホテルです(宿泊代はシングルで14万リラ位、ダブルで24万リラ位)。部屋は全部で8室しかなく全てに目の行き届くサービスです。11世紀に建てられた塔や教会が目の前に有り、城壁に囲まれた古い町(昔から有る町)の中心に有ります。ホテルの名前は「LA TANA DELL’ ISTRICE」(ラ タナ デッル イストリチェ)と言い、意味は「ハリネズミの巣」です。かわいらしい名前で、オーナーのセルジオさんがハリネズミが好きな事と、有機栽培を始めた時に畑にハリネズミがよく出てきたからと言う事です。ワインのラベルにも「イストリチェ」が書かれています。 少しでもこのような地方の小さな町に日本人観光者が訪れる機会が増える事を願ってこのレポートをさせて頂きました。日本の喧騒とは無縁の町に足を運んで下さい。

Dolce

 

  

 

4/12イゾレ・エ・オレーナ

 

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